プロとは
プロの家庭教師とは(指導方法)
今回はプロ家庭教師とは一体どんなものかということを書いていこうと思います。
僕が考えるプロの家庭教師とは、生徒さんに成果を上げさせることを目的としている家庭教師です。
一般的にプロの家庭教師というと、非常にレベルの高い生徒を専門に受け持つ家庭教師だとか、難問を分かりやすく解説する家庭教師だと思われていることが多いようですが、それは違います。
学力レベルの非常に高い受験生さんなどもおりますが、逆に勉強が苦手で、集団授業についていくことが難しいということで、ご相談いただくケースが非常に多いです。中には発達障害であったりだとか、不登校で悩んでいる生徒さんもいます。または社会人の方で、高卒認定や看護学校、公務員試験の受験を希望されている生徒さんもいます。
このように生徒さん一人一人、状況が異なっているだけでなく、さらに学習の段階も全く異なります。そしてそれは生徒さん自身からは非常に見えにくいものです。いわゆる「わからないところが、わからない。」ということです。その段階で生徒さんからの質問に対し、ただ解説授業をするだけの指導は無意味です。生徒さんのレベルや、考え方に合わせた解説でなければ、決して伝わらないからです。
つまりプロの家庭教師とは、ただ生徒さんの質問に答えることができるということではなく、生徒さんの苦手や弱点を見つけ出し、現状を分析し、それを生徒さんと共有することができる家庭教師だと考えています。
さらにそれを成果へと結びつけていく必要があります。
成果を上げる
僕は家庭教師が生徒さんに成果を上げさせる時に、適切な成果や目標は一体何なのかを、具体的に生徒さんと共有することが必要不可欠だと考えています。
適切な成果や目標とは一体何でしょうか?テストの点数や結果と答える生徒さんが多いですが、本当にそれは適切な成果・目標と言えるのでしょうか?
水戸市で高校2年生の指導に伺った時のことですが、その生徒さんは物理で赤点を取ってしまって落ち込んでいました。親御さんも非常に心配されていましたが、よくよく聞いてみれば、受験は茨城大学の一般入試で考えているということでした。入試科目を、ある程度併願の可能性のある大学も含めて確認してみましたが、物理を入試で使う必要は無く、理科はその生徒さんの得意な化学だけで受験が可能でした。結局最初に相談のあった物理ではなく、得意な化学と英語を伸ばす指導を行うことになりました。
また先日、石岡一高を希望している高校受験生の指導に行った時には、「数学が苦手で心配なので、この夏に一気に3年間の数学の復習をしてほしい」という希望を頂きました。しかし元々苦手意識のある科目を、一気に3年間分の内容を詰め込むというのは、量も多いため中々現実的とは思えませんでした。しかも生徒さんの理解度をよく観察していると、数学は苦手とはいえ、計算は非常に良くできていました。茨城の公立入試問題は、大問1・2の計算で40点確保できてしまうため、あとは残りの関数・図形分野で、基本レベルの入試問題パターンを押さえておくだけで十分でした。結局数学を詰め込むことはやめ、その分の時間で英語の長文読解を底上げしていくことになりました。
こうした入試に向けたものだけではなく、生徒さんによっては、毎日親御さんに言われる前に音読をすることを最初の目標にすることもありますし、学校で先生に暴言を言わないことを目標にし、毎週その結果を親御さんと一緒に確認して頑張りを褒めてあげている生徒さんもいます。
適切な目標や、その勉強を行う意味が明確になっている生徒さんはほとんどいません。
目的地や現在地が不明確なままでは、どこにも辿り着けません。まずはそれを教師と生徒さんとで共有していくことが、前進していく第一歩だと思います。
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