評定2→3
公立中 通知表の上げ方対策(個別指導塾か家庭教師か)(定期試験対策・受験対策・発達障害)
公立中学に在籍している生徒さんにとって、内申点を上げることは高校入試に向けてとても重要になります。
タイトルには「公立中 通知表の上げ方対策(個別指導塾か家庭教師か)」とありますが、最初にまずこのタイトルの意味について説明させていただきます。
家庭教師ジャンプに在籍している生徒さんの多くはいきなり始めから家庭教師を選ぶ生徒さんよりも、一度集団塾に入ったが、スピードやレベル、宿題の量などが本人には合わずにやめて、その次の選択肢として選んだ方が大半になります。集団塾をやめて次に考えるのは「個別指導塾か家庭教師か」となるわけですが、結論を先に述べますと、集団であれ個別であれ塾では内申点対策はしてもらえません。塾は学校で習っている単元の予習や復習がメインとなり、それはすなわち定期テストに向けた対策となります。
通知表を上げていきたいのであれば(通知表の上げ方を理解している)家庭教師一択、となります。
昭和世代の親からすると、定期テスト対策=内申点対策じゃないの?と思いがちですが、現在における評価システムは実は全く違います。
現在の公立中学における内申点、つまり通知表の評価で定期テストの点数が占める割合は30%~40%程度なのです。
ですので、塾に通って定期テスト対策をしてもらい、その結果点数が上がったとしても残りの60%~70%を占める部分の対策をしないことには通知表は上がらないわけです。
つまり家庭教師ジャンプの教師は定期テスト対策以外の対策も行っているということになるわけですが、実際にじゃあ何をしているのか。
それをご理解いただくにあたり、【観点別評価】と呼ばれるものの仕組みを知っていただくことが必須になります。
通知表を決定する3観点
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に取り組む態度
まずこの1,2,3が何で評価されるのか。
こちらの図をご覧ください。
1と2は定期テスト・日々の単元テスト、そして授業内や期限の定めのあるワークシートやプリントなどで決まります。(教科や担任により配分などは変わるため必ずしもすべてに当てはまるわけではありませんが、ここではわかりやすく図解しています)1,2,3の3観点がそれぞれABCの3段階で評価され、CCCなら通知表は「1」、AAAなら「5」といったように、アルファベットの組み合わせで1~5段階の評価が決定される仕組みです。
1と2との違いは以下のようになります。
1.知識・技能・・・定期テストの基本問題。例:数学なら言葉の知識や計算問題
2.思考・判断・表現・・・定期テストの応用問題。例:数学なら文章問題や思考力を問う問題
3は提出物・授業内課題で決まります。
3に関しては期日までにただ普通にやって出すと評価はB止まりです。期限までに出し忘れるとⅭになります。
提出物にはワーク、ノート、プリント、ワークシート、テスト後の振り返りシートなどがあります。
ノートやプリントは、先生が授業中に発した(黒板には書かれていない)言葉を書いたり、自ら調べ学習をしたりすると、評価が上がります。
この時、色(赤や青のペンや蛍光ペン)を用いる、イラストや図を描く、などすると更に評価が上がります。
振り返りシートは軽視する生徒さんがとても多い(一言「頑張った」と書いておしまい、など)のでいかにこの「振り返りシート」が大切かをまずは生徒さんに教えないといけません。
そしてこの振り返りシート、中身が以下のような「振り返りストーリー」と「気づきアピール」になっていれば先生が高く評価してAをくれます。
「振り返りストーリー」とは
~といった計画を立てた
↓
結果、こうだった(反省点を挙げて自ら振り返る)
↓
課題が見つかった(振り返った結果、新たにやるべきことが発見できた)
↓
次はこうしたい(改善、修正して次は臨むという意欲を示す)
という流れを提出物に「書く」ことにより教師がそれを読んで、「おぉ!素晴らしい!!」と評価してくれます。大人であろう読者の方なら「それってつまりビジネスでいうPDCAですよね?」と思われますよね?その通りです。
P=Plan(計画)を立てて
D=Do(実行)して
C=Check(分析)して
A=Act(改善)する
ようするに「粘り強く」「試行錯誤している」ことが重要なのです。
「気づきアピール」とは
クラスメイトの発言・発表内容に触れ、自分の意見と同じ部分(共通点)と自分の意見とは異なる部分(相違点)を書く
↓
自分と異なる意見に対しては否定的な見解ではなく、新しい見方・捉え方ができた、自分と異なる視点で役に立った、以前の自分とは異なる考え方を持つことができた、と前向きな言葉を使う
↓
興味や関心が出てきた。何かを学ぶことができた!もっともっと知りたい、学びたい、と書き、自分は少しずつ成長しているんだと暗にアピールする
これらを達成したうえで期限までに提出すれば評価Aをもらえます。
但し!3の「主体的に取り組む態度」は【1や2の項目が達成できていること=主体的に取り組めている】とみなされる(文科省の通達もそうなっている)ので、1,2が悪いけど3だけ評価される、ということは現実的にはありえません。
なのでどれだけ「振り返りストーリー」と「気づきアピール」が完璧にできていても、定期テストの点数が低ければ⓷だけAになって他はCとはなりません。
つまり
1.C
2.C
3.A
という通知表は基本存在しないことになります。
1.C
2.C
3.C
が一番低い評価ですが、ここから上げていくとすれば、
まず1.知識・技能Ⅽ→Bにすることを目指します。
そうなると3.主体的に取り組む態度もⅭ→Bになる可能性がグンと高まります。
ただⅭⅭⅭの状況の生徒さんの場合、どうしても学力面で遅れが生じているケースが多いため、現実的な取り組みとしては「3の提出課題をきちんと期日までに一定のクオリティで出す」ことが優先されると思います。
評定を上げていくイメージとしてはこのようになります。
説明を加えますと、この表は段階的に評定を上げていく作戦を立てるときに、観点別のどこを優先的に上げていくべきかを示したものになります。
注:自治体や学校によりアルファベットの組み合わせが同じでも2か3か異なることもあります。
CCCから
→まずは提出物課題をしっかり把握し、期限までにある一定のクオリティで出す。そして3をBにする(CCBになれば通知表が2になる)
CCBになれば
→次に1.知識・技能をBにするために基本問題を5割解けるようにしていく。(BCBなら通知表が3になるかも?)(※1)
BCBになれば
→さらに提出物のクオリティを上げて3をAにする。(BCAなら通知表が3になる)
BCAになれば
→1の基本問題の正答率をさらに上げていき1をAにする
ACAになれば
→2の応用系問題に挑む。これでABAになれば通知表が4になる!
(※1)テスト用紙にはこれは1.知識・技能の問題、これは2.思考・判断・表現の問題、とご丁寧に記載されているケースが殆どです。
点数も別々に採点されていたりします。テスト本番に自分が解くべき問題(1.知識技能問題)にまずは〇をつけるなりして、まずはそれだけを順番に解いていくなど、工夫も必要になります。なぜなら学校によっては1と2が交互に出題されたり、いきなり一問目から2の応用問題が出されることもあるからです。(テストになると頭が真っ白になる生徒さんの場合、もしかするとテスト問題の構成がいきなり2から出題されているパターンに遭遇したことが要因かもしれません)
また、3の主体的に取り組む態度では、グループワークでの発言なども評価対象になります。いわゆるアクティブラーニング推奨の一環で昨今の授業ではそういった生徒同士で意見交換をする場が積極的に設けられています。特性があって何を話していいかわからない、集団行動がそもそも不得手、といった生徒にとっては最も苦手な場面になります。
しかし、ジャンプの基本方針「数学(算数)は先取りで進める」を実行できていれば、少なくとも何について話しているのか、最終的に何が正解になるのか、といった大まかな流れはイメージできるので、何について議論しているのかすらサッパリわからないという事態にはならないようにしています。(ジャンプの基本方針「数学・算数は先取りで、英語国語は土台から」)
さらに、観点別でBCBを狙う場合、テスト直前期に3の提出物を仕上げているようでは、1の知識技能問題演習が全くできなくなりますので、テストまでにワークなどテスト当日に提出義務のあるものは先取りで進めていくことでテスト1~2週間前は1の対策ができることにもなります。
さらにさらに述べますと、期末テストでは副教科(保体・美術・技家・音楽)のペーパーテストも実施されます。副教科こそ内申点では重要になるため、期末テスト前にはそれらの対策をしっかりする必要もあるため、主要5科目のワーク(※2)をやっている場合ではない、ともいえます。
(※2)ワーク等、提出物に関して、以前はテスト範囲表に「P19~P45までを完成させテスト当日に提出」など細かく記載がなされていましたが、最近は各自が自主的に取り組み、提出を委ねるケースも増えてきています。教師も「やってもやらなくてもいい」という言い方を生徒たちにしますが、これこそ「やって出せば加点。やらなければ0点」という評価になるので、絶対に取り組まないといけない課題になります。
ASD傾向がある生徒さんだと額面通りに受け止め、「どっちでもいいならやらない」と決してやろうとしない子もいるので要注意です。
以上、観点別攻略についてお話させていただきましたが、ここまでは観点別攻略〜入門篇〜といった内容となります。
次なるステップとしては、例えば教科担当ごとの①②③の中身と配分を把握していき個別に対策を練る、単元テストのタイミングと頻度を把握して対策を練る、などより細かいステージに入っていきます。そのあたりは生徒さんの学校ごとに異なる部分もありますので、各教師がアドバイスをしていきます。
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