勉強の遅れ
課題の指示は生徒の学習管理【4】(定期試験対策)
前回のコラムで、ある問題の解き方をマスターするために必要な反復練習の量は生徒1人1人で大きく異なっていることについて説明した。学校の授業についていけなくなってしまった生徒の場合、その遅れの初期段階において(多くの場合それは1~2学年ほど前の単元である。)反復練習の量が足りなかったために、習った直後はできていたことが長期記憶としては定着できなかった事が、つまづきの根本的な原因であると考えられる。
そして、国語の漢字や語彙力、文法的な知識、算数(=数学)、英語などの教科は積み重ねの要素が大きいから、一度遅れが生じてしまうとそれを取り戻すというのはなかなか大変なことなのである。今習っている単元にプラスアルファして、遅れの根本的な原因となっている内容をただ解説するだけではなく、今度こそ理解をしっかりと定着させるために段階をふんだ反復練習を適切な量で行わなければならないからだ。それはつまづく以前の学習内容と比べたら、かなり時間も手間もかかる作業になるという事は容易に想像できるのではないだろうか。
学校や家庭内だけでは、授業についていけなくなってしまった生徒のフォローを行う事はなかなか難しいという理由がそこにある。さらに、もし早い段階で適切な対策が講じられなければ、初めは本人も気づかない程度の小さな遅れだったとしても、その遅れはだんだんと大きくなってしまうものだ。そうなってしまうと今度は生徒のヤル気、モチベーションが一気に低下してくるからやっかいである。そう、「苦手な教科は嫌いだ!」「いや、そもそも勉強そのものが嫌いだ!」といった類の思い込みと闘う必要性が生じてくるからだ。プロ家庭教師のジャンプの指導システムとは、まさにそのような生徒さんを対象にしながら長年改良してきたものなのである。
ちなみに余談にはなるが、この業界に四半世紀以上関わってきて強く感じるのが、小学校の3、4年生あたりを中心として30年位前と比較した場合に、小学校のかなり早い段階で学校の授業についていけなくなる生徒がものすごく増えているという現実だ。これは、長らく続いたゆとり教育が廃止されカリキュラムが再編されたことと大きく関わっているように思う。つまり、年間の授業時間数は変わっていないのに履修する単元の数だけが増えているため、理解がしっかりと定着する前に次の単元へと進まれてしまう生徒が増えているということだろう。要するに、これもまた単元1つ1つの反復練習の不足が最大の原因であると考えられるのだ。この問題(小学校の学習カリキュラムの変遷と学習障害?の増加)についても別の機会にまた論じてみたい。
必見! 発達障害ブログ
- 発達障害と特別支援学級(高田先生)
- 発達障害と中学受験(高田先生)
- 中学受験「偏差値50」2科目か4科目か(高田先生)
- 中学受験「偏差値40台」応用問題(仲間先生)
- 中学受験『算数の計算ミスは致命傷になる』(高田先生)
- 発達障害と漢字の覚え方(今泉先生)
- 発達障害と英単語の覚え方(高田先生)
- 勉強ができないのは発達障害のせい?(尾崎先生)
- 発達障害とWISC知能検査(今泉先生)
- ワーキングメモリと勉強(高田先生)
- 発達障害と志望校選び(鎌田先生)
- 発達障害とカラーテスト(深澤先生)
- 発達障害と白黒思考(岡田先生)
- 発達障害と小学生の算数(儘田先生)
- 発達障害と小テスト(山中先生)
- 発達障害と親の言葉(高野先生)
- 発達障害と不登校(島田先生)
- パズルで簡単!楽しく身につく漢字学習指導法(鎌田先生)
- 発達障害と漢字の必要性(高田先生)
- 発達障害とケアレスミス(儘田先生)
- 漢字を覚えられないのはなぜ?(田中先生)