双方向授業
ジャンプのオンライン授業を始めました(指導方法)
現在首都圏において、コロナウイルスの影響で学校や塾に通えず、自宅学習を余儀なくされているご家庭から、たくさんのお問い合わせをいただいております。
- 学校がストップしていて家で遊んでいるだけは困るので家庭教師の授業だけは継続してもらいたい
- 塾も通えず、外出もままならない時期だからこそ、家に来て勉強してもらえるのは助かります
- こういうときでも毎日の課題を出してもらえるので大変ありがたい
といった感謝の言葉をいただけることもありました。
しかし一都三県に緊急事態宣言が発令されて以降、我々教師も自宅待機となってしまいました。電車に乗って一日2件のご家庭に行くということが感染の危険につながるからです。
日増しに感染者が増える状況下で、不安を抱かれたご家庭からも
- 自宅には高齢の祖父母がいるので、極力リスクを避けたい。パソコンなどで教えてもらえたりはできないか
- 先生に来てもらいたいが、感染のリスクを考えると、安易に来て欲しいとは言えない。動画とか使って授業は可能でしょうか
といったお悩みの声も多数出てくるようになりました。
実は、緊急事態宣言が出るよりもっと前の2月末や3月前半から「ジャンプさんではオンライン授業などできますか?」といった質問をいただいておりました。
そういったご要望にお応えするため、私達も2月からオンラインでの遠隔授業ができるのかどうか様々な取り組みをして参りました。
〜オンライン授業の課題点〜
とりわけ発達障害またはその周辺に位置するジャンプの生徒さんの場合、自宅でタブレット教材や通信教育を利用して一人で学習させることは不向きといえます。
では塾などで採用されている、講師の解説が自宅で視聴できる動画授業はどうかというと、それも一人で動画を『見ている』だけになってしまうケースが多く、効果は期待できません。
また、小中高などで実施される(既に実施されている)ウェブ会議アプリなどを利用したオンライン授業はどうでしょう。
こちらも教師が解説している様子を多数の生徒が一斉に視聴する形になるため、集団に向けて説明している内容が理解できない生徒にとっては効果は期待できません。そもそも集団授業ではついていけない生徒さんたちが9割を占めるジャンプの場合、世間で流行りつつある一方通行のオンライン授業は不向きであるのです。
〜ジャンプのオンライン授業〜
ジャンプがこだわっている指導スタイルとして
- 授業前の計画
- 授業前の準備
- 授業の流れ
- 宿題の指示
などがあります。
計画や準備などは自宅待機中でも可能となりますが、『授業の流れ』だけは目の前にいて教える場合と離れた場所から教える場合とでは先に述べたように既存のいわゆる『オンライン授業』ではうまくいきません。
まずご理解いただきたいことが、この授業の流れについてです。
ジャンプの授業コンセプトとして、いきなり問題をやらせて考え込ませない(わからない、解けない、という状態になると、生徒側が自信をなくしたり集中が途切れたり勉強への苦手意識が強まってしまうため)ということが第一にあります。
それを踏まえて以下の3つの流れで授業を進めていきます。
①教師が解説をしながらまず解き方、考え方の見本を示す。
②それを生徒にも真似をさせながら、ヒントを出して正解に結びつけていく。
ここまでの①②は学習でいう「インプット』になります。
③教わったことが一人で出来るかどうか、自力で問題を解かせてみる。
ここが肝心になります。 先生のヒントなしで解ききることができるかチェックするため、こちらは一切教えずに生徒の鉛筆の動きを観察します。
よくある個別指導塾やアルバイトの家庭教師の場合だと、「教える=授業」であると思いがちで、そうすると①②だけ実行できればよし、となるので『講師の映像と声が届けば授業は成立する』という結論になるかと思います。
しかしジャンプの指導スタイルは必ず③の部分、つまり『アウトプット』ができているかの確認までを行います。そうなると、絶対に必要になるのが、生徒がどんな計算をしているのか、何を書いているのか、つまり生徒の手元を確認する映像です。
これがないと
- 本当に理解して解けるようになっているのか教えている側が確認できない
- 自分一人で出来るようになっていないと教わる側が達成感を持てない
という事態になります。
(そもそも学校のカラーテストや定期テストは先生のヒントなしに自力で時間内に解く形式ですから、その練習を授業内で行わずして、学校のテストで解けるわけがないはずです。 いえ、もっというと宿題で同じ課題を出したとしても、きっと翌日には『あれ?どうやるんだっけ?昨日は先生が教えてくれたから答え合ってたけど、自分一人じゃわからないや』となるでしょう。)
その『生徒の手元を観察するための映像』を確認するためのカメラをどのように確保するのか。様々な実験をしてきました。
ウェブカメラを購入して設置したりも方法としてありましたが、電話で「パソコンのUSBに接続させてください」「授業が終わったら必ずオフにしてください」など、保護者の方への説明難易度的に厳しいことがありました。
そこで、ほぼ普及している、ご家庭にあるスマホのカメラ機能を利用してやってみたところ、実にスムーズに設置でき、快適な授業を行うことができたのです。(4月に入ってからは8割のご家庭でスムーズにオンライン授業が始まっています)
つまり、ジャンプが現在行っているオンライン授業は、パソコン(またはタブレット)と、スマートフォンさえあれば、双方向での授業が実現できるようになっています。
オンラインでの遠隔指導が可能となったことで、今までは対応できなかった地域の方々からもお問い合わせがいただけるようにもなりました。
また、最初は離れて授業をすることに不安を感じられていたご家庭からも、「想像していた以上にいつも通りの授業に近くて驚いています」といった声も届いています。
一人でも多くの勉強に困っている子供達へ、自信を持たせてあげたい。
そのために、こんな状況だからこそ、できる限り質の高い指導を今後も提供していけるよう社員一丸となって邁進していきます。更なる快適なオンライン授業に向けて、日々改善にも取り組んで参りたいと思っておりますので、皆様どうぞよろしくお願いします。
最後になりましたが、毎日、日割りで指示している宿題プリントについては郵送でお送りしていますのでご安心ください。 もし、この記事を読まれて興味を持たれている保護者の方がいらっしゃいましたら、お問い合わせくだされば、詳しく御案内もいたします。
必見! 発達障害ブログ
- 発達障害と特別支援学級(高田先生)
- 発達障害と中学受験(高田先生)
- 中学受験「偏差値50」2科目か4科目か(高田先生)
- 中学受験「偏差値40台」応用問題(仲間先生)
- 中学受験『算数の計算ミスは致命傷になる』(高田先生)
- 発達障害と漢字の覚え方(今泉先生)
- 発達障害と英単語の覚え方(高田先生)
- 勉強ができないのは発達障害のせい?(尾崎先生)
- 発達障害とWISC知能検査(今泉先生)
- ワーキングメモリと勉強(高田先生)
- 発達障害と志望校選び(鎌田先生)
- 発達障害とカラーテスト(深澤先生)
- 発達障害と白黒思考(岡田先生)
- 発達障害と小学生の算数(儘田先生)
- 発達障害と小テスト(山中先生)
- 発達障害と親の言葉(高野先生)
- 発達障害と不登校(島田先生)
- パズルで簡単!楽しく身につく漢字学習指導法(鎌田先生)
- 発達障害と漢字の必要性(高田先生)
- 発達障害とケアレスミス(儘田先生)
- 漢字を覚えられないのはなぜ?(田中先生)