いられない
不登校になるきっかけと不登校の原因(発達障害)
不登校の子どもたちはなぜ学校に行けないのでしょうか。素直に「こうこうこうだから学校に行けない、行きたくない」と言ってくれる子はなかなかいません。多くの場合、子どもはその話になると黙ってしまったり、自室に逃げてしまったり…。
お父さんお母さんも最初こそ本人に何があったのか聞いてみたりするものの子どもからはいまいち腑に落ちない返答しか返ってきません。それだと親としてはどう動けばいいのかわかりませんよね。
もしかしたら、親にも言えないようなとても重大な事件があったのでは…!と思ってしまうかもしれません。
ですが、多くの場合、もし仮に何か事件があったとしても、それは単にきっかけであり、不登校になる原因ではないのです。
不登校の原因
なぜ学校へ行けないのか、行き渋りが頻繁にみられるのか、様々なケースをみてきたプロ家庭教師の視点でその原因をみていきたいと思います。
まず『不登校』と『ひきこもり』の違いについて確認しておきます。
不登校・・・学校へ通えていない状態。
ひきこもり・・・社会との接点を持たず自宅にずっと居る状態。
つまり不登校=ひきこもりではない、ということですね。
不登校児のなかには、学校へは通えていないけれど友達とは外で遊んだり習い事は通えていたり、という状況の子供がたくさんいるのです。
では、なぜ不登校児は『学校へ通えない』のでしょうか。
まず不登校の定義について再確認いたします。
不登校・・・学校へ通えていない状態
と前述しました。
この学校へ通えていない状態には大きく2つあります。
一つは家から学校へ向かえない、つまり登校することが困難な状態と、もう一つは教室に入れない状態です。
それぞれ原因は異なります。
□登校が困難
□入室が困難
まず登校が困難な場合。
プロ家庭教師のジャンプの生徒さんで多いのが「起立性調節障害」という症状で朝起きることができないケースです。本人としては学校へ行きたい。けど身体がどうしても動かない。
続きまして入室が困難な場合。
この場合、不登校は学校に「いけない」のではなく「いられない」状態をさします。そして学校にいられない理由、
つまり不登校の原因というのは「学校にいられる状態になっていない」ことにあります。
それは、
〇学習障害やADDなど発達障害の特性ゆえ勉強がわからなくて集団授業についていけない→だから教室にいたくない
〇対人コミュニケーションの困難など発達障害の特性ゆえクラスメイトや先生とのコミュニケーションがうまくいかない→だから教室にいたくない
〇こだわりや感覚過敏など発達障害の特性ゆえ教室にいるのがつらい→だから教室にいたくない
(よくあるケースとして、例えば他の生徒の声や物音が雑音として耳に入ってきて先生の話す声と聞き分けられない、自分より前の席の生徒たちや様々な景色が目に入ってきて黒板の情報だけを読み取れない、などです。)
など、「勉強」「コミュニケーション」「こだわりや感覚過敏」だったりします。
そのような状況で、「学校にいられる」には何が必要でしょうか。
まず、長い間、午前から午後まで学校にいられるだけの「体力」や「環境」、そして学校のメインコンテンツである勉強をうまくこなせるだけの「学力」、そして、同年代の子供達とうまくやっていけるだけの「コミュニケーション能力」などでしょう。
(不登校のきっかけについてはコラム「3つの接点」も是非お読みください)
逆に言えば、体力・環境、学力、コミュニケーション能力の何かが少し足りていなくて学校にいられない、ということです。もちろん100%どれかに当てはまるわけではないと思いますが、不登校のかなりの割合を占めているのではないかと思います。
「体力・環境」
起立性調節障害で朝が起きられない、フラフラする。ゲームをやりすぎて寝るのが遅くなって朝が起きられない。「体力」といっても体調や生活面など、様々な背景があると思います。また、周囲の聴覚情報(音や声)や視覚情報をなるべく少なくしてもらえるような配慮も必要になるでしょう。
「学力」
学校の授業についていけない。
周りのクラスメイトから馬鹿にされている。
学習障害やADD(注意欠陥障害)などの発達障害により学習面に遅れが生じてしまって、集団授業に居づらくなった。
など、「学力」にも様々な背景があると思います。
「コミュニケーション能力」
自閉症スペクトラム(ASD)やADHD(注意欠陥多動性障害)など、情緒面や行動面で周りの友人と折り合えず、孤立してしまっている。これが「コミュニケーション能力」の中では最も多いような気がします。
もしこれをご覧になっている方のお子さんが学校に行けていないのであれば、これらの技能のうち、達成できていないものがありはしないか一考していただけたらと思います。そしてそれらのうち足りないものを補ったり改善したり習得したりするための、その一つの手段として、私達正社員家庭教師を是非頼ってみてください。
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