3つの接点
不登校になって(発達障害・不登校)
今年度は、不登校の生徒から学ぶことが多くあります。それは私自身の成長にもつながってくるということを感じさせてくれています。
この春に大きな決断をしてくれた中学3年生の男の子がいます。彼は中学1年生の頃から、不登校になりました。不登校になったきっかけはこれといってありませんでした。(不登校のきっかけについてはコラム「いられない」もご参考にしてみてください)友達も普通にいましたし、勉強も全くできないわけではなく、担任ともそこまで関係は悪くもなく。家庭内でも特にゴタゴタがあるわけでもなく、、。
ただ朝起きるのがつらくなって、そこにもともと好きだったゲーム熱がさらに強くなってしまい、遅刻が目立ち始めて、そのままズルズルと、、、という流れでした。
そして私と勉強してから1年が経とうとしていたときに、彼のお母様からメールがありました。
という内容。
指導に行ってみると、普段は自分から話すことの少ない彼が、「先生、緊急事態宣言が終わって学校始まったら、学校に行きます」と予想もしなかった言葉を言ってきてくれました。最初は私自身も心配していました。なぜなら、ここしばらくずっと本人は体調不良が続いたからです。それに伴い、2週間ほど私の指導もお休みになっていました。
しかし、1日の欠席があったものの、彼はがんばってくれました。分散登校で教室内の生徒の数が少なかったことも功を奏したのだと思います。なんとか順調に通えるようになって、人生初の定期試験もいよいよ来週受ける予定です。
そこで思うのです。
彼のモチベーションは何だったのだろうかと。振り返ってみると、3つのことが大きかったのかなと思います。
1つ目は、「勉強との接点」です。私のほうで数学を主に指導で教えてきました。
というのも、数学という教科は英語や国語と同じ主要3科目の中でも分野を絞って出来るようになり、定期テストでも結果が出やすい特徴があるからです。私と生徒との共通の目標として、中3の計算分野(展開と因数分解)だけは必ずできるようになろう!というものがありました。なので彼の中で、数学は学校に行くようになっても授業でついていけるかもしれない、という期待が自分自身にあったのだと思います。指導している時でも、数学は解いていて楽しそうにしています。
2つ目は、「学校との接点」です。彼は緊急事態宣言が明けてから急に通いだしたというわけではありません。実は、お母様から学校にお願いをしてもらい、週に1度は学校に行くようにしてもらっていました。最初は、プリントを取りに行ったりすることを目的にしていましたが、担任の先生が理科の先生ということもあって、たまに生徒だけのために実験をしてくれることもありました。理科の先生を通して学校との接点を保ち続けられたことが大きかったと思います。
最後に、「社会との接点」、つまり「友達」です。毎週日曜日に遊んでいる友達がいます。その友達も不登校を経験していたとのことで、プリントを届けてくれるなどしてくれていました。そのような話をご家庭から聞いたときに、先ほどの学校へのお願いを私から依頼しました。なぜなら、一人あるいは保護者の方と行くより、友達と行けたほうがより実践的な形をとれるかなと考えたからです。
不登校から学校に通えるという状態になるには、なにもなしには難しいことでしょう。今回は、あくまで例の一つです。何がきっかけになるかはわかりません。つまり、動いてみないとわからないのですが、「勉強」「学校」「社会」のどこかで接点を持ち続けることは不登校から脱却するための見えない大きな力になってくれるのだと実感しました。
そして現在、まさにテスト前で数学のテスト対策をしているのですが、先日何気なく「なんかもう普通に学校行けちゃってるよね。特に最近学校行けなかったときと別人みたいに明るくなってるけど、何かあったの?」と聞いてみたら、「うん。前に先生が話してくれた〇〇高校。あれね、自分で調べてみたんだけど、なんかめっちゃ行きたくなった笑。だから絶対に受かりたいと思うようになって。あ、まだ誰にも言ってないから親とか絶対に言わないでね」と。
とまた彼から教えてもらいました。
もし、お子様が不登校になって悩まれている保護者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ我々プロの家庭教師に頼っていただきたいと思います。勉強で自信を持たせてあげることは勿論ですが、勉強との接点的な役割だけでなく、社会との接点的役割も担えます。また、親には言えない進路や人間関係の悩みなども聞き役になってあげることもできます。
10代の数年間、不登校になっても、将来立派に社会的自立をしてきた生徒もたくさん見てきています。
お子様が何歳であろうと、我々プロ家庭教師なら、その後何年間も一緒に歩んでいけます。未来ある子供たちの新しい第一歩として、私たちを頼ってください。
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