制限時間付
テストに潜むアレ③ まとめ(定期試験対策)
定期試験とケアレスミスの不思議な関係について、対策を踏まえながら書いてきましたが、今回でまとめとしたいと思います。
ケアレスミスが起きるのは緊張のための見間違いはあっても、注意力の無さではありません。そのための対策をしていないため起きるのです。それを、『単元名を消してやってみてもらうこと』を通して本人に理解してもらいました。これに慣れてきたら次のステップに進むことができます。具体的には単元名を消して、かつ混ぜた問題を出しても7割の正答率になるまでは続けます。
これに限らず、プロ家庭教師として気をつけていることは、1つ新しいことを取り入れたらその結果がきちんと出せるようになるまで次を行わないことです。生徒さんにどんなステップを踏んでもらっているのか、それはどうしてかを納得してもらいながら進めます。
最後は、問題レベルを変えずに『制限時間をつける』ことにします。するとここでまた一気に正答率が落ちます。生徒さんはここでまた驚きます。
問題点としては
1.終わらない
2.焦ってしまう
3.解き方を忘れる
ということが多く起きるようです。3は2が影響しており、2は1と関わります。つまり1をどうするかが最大の問題になるわけです。
ところで、1はできればわざと起こさせるのが望ましいと私は考えます。焦る経験さえ、家庭で積ませておきたいのです。そのため私の設定時間は厳しいです。
ほとんどの生徒さんはここで工夫することになります。最も多いのが書くスピードを早めることです。これは「汚くて読めない・焦って数字が変わった」などのエピソードを経てだんだんできるようになります。
ただ、それでもまだ時間内に解ききれない生徒さんもいます。そのときは余白に書いているメモの文字を見てあげるようにします。人間は書くリズムが早まれば早まるほど、特定の癖が表れやすくなります。例えば数学なら文字式のアルファベットが大きくなりやすいとか、必ず一定の間隔を空けて書くようになるなど、こちらから見ると「その分がロスだよ」という癖が見えてきます。本人が見間違いやすい数字や文字もわかるようになるでしょう。
それを伝えて、同スピード内でのリズムを変えさせていきます。こうすると『気をつけつつ早く書く』ことができるようになるのです。
ここまで到達すると、単元名に惑わされず解くスピードと問題数のバランスが取れていることになります。これはそのまま受験でかなりの武器になります。
定期試験で経験を積ませながら、受験対策に切り替わった時に有効なテクニックを覚えてもらうのです。
長々と書いてきましたが、ケアレスミスが『うっかり』などではないと少しでも感じていただけたら嬉しいと思います。
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