つなぐ橋
課題の指示は生徒の学習管理【5】(定期試験対策)
これまで4回にわたって課題の指示を通しての生徒の家庭学習管理の重要性について論じてきた。それは当社が長年にわたって開発し続けてきた指導システムの根幹であり、正社員の家庭教師を派遣する会社として今後もこだわり続けたい最大のテーマでもある。
指導日にわかりやすい授業を行うことはもちろん大切だが、生徒に1人1人の現状や目的に応じた適切な家庭学習の習慣を身につけさせる事ができなければ、結局は指導の効果もあがらなくなってしまう。そして生徒自身が指導効果を感じられなければだんだんとモチベーションや指導中の反応も低下していき、最終的には授業の進行にも支障をきたすようになるものだ。発達障害などの生徒でよく見受けられる授業中に集中力がない、ヤル気が見られないなどの症状はまさにこのパターンであると推察される。
家庭学習の習慣を身につけさせる事ができなければ、生徒は指導日以外にはほとんど全く学習をせずに授業を受けることとなる。当然先週の指導内容も忘れている可能性が高く、類似問題を演習させてみても解けないはずだ。そうなると今日の授業内容は先週の焼き直しになってしまい、授業中に生徒が達成感を感じることも難しくなるだろう。そうなると生徒のモチベーションが低下してくるから集中力もなくなる。このマイナスの連鎖は、わかりやすい授業を提供するだけでは決して断ち切れない。適切な家庭学習の習慣を身につけさせることで初めてそこから脱却できるのだ。当社が生徒の家庭学習の管理に徹底してこだわってきた理由がここにある。
ところで、生徒に適切な家庭学習の習慣を身につけさせる過程において、課題の内容や量、出し方と並んで非常に重要になってくるのが、効果的な小テストを実施することである。まずは先週の授業内容を中心に課題の類似問題で構成した小テストを定期的に行うことで、生徒に達成感を味わってもらうことが初期の目標となる。点数が明確に出る小テストという形態をとることで本人に指導の効果を感じてもらいやすくなり、モチベーションの維持につなげていくアイテムとして活用できるはずだ。その際に1番重要なポイントが、課題を指示どおりに適切な形で行っていれば小テストで点数が取れることを、生徒にしっかりと理解させることである。漠然とした課題の指示や小テストの実施では効果は半減してしまう。
大切なのは課題と小テストの連動を生徒に常に認識させる事だ。それが生徒に伝われば、少しずつ課題という名の家庭学習が適切な形で行われていくことになるだろう。小テストとはいわば課題と課題を効果的につなぐ橋のような役割を果たすアイテムだといえる。
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