偏差値50
2科目受験か4科目か(中学受験)(受験対策・発達障害)
中学受験をお考えの親御様から、「2科目で受験するより4科目受験のほうが有利ときいたが、実際はどうなのか」「4科目やると負担が増えるのが心配。どうしようか」といった相談をたびたび受けます。
一般的には、
- 4科目で受けるほうが2回チャンスがあるので有利になる
- 4科目受験が主流になってきているから2科目に絞ると選択肢を狭めてしまう
- 2科目受験する子は国語算数が得意な子供ばかりですからその中で戦うのは厳しい
- 入学してからの成績上位者は4科目受験した人が多い
- などなど、4科目受験をおすすめする意見が多いような気がします。ネットで調べても殆どの教師や保護者、関係者が口を揃えるように4科目を推奨しています。
確かにこれから中学受験を目指す小学3.4年生であれば、前述の皆様のご意見通り、可能性を広げる意味でも4科目の勉強をしていくほうが良いと思います。塾に通われている場合ですと塾側から理科と社会の講座も積極的に勧められるかと思います。塾の経営的視点からみても、一つでも多くの講座を受講してもらう意味であえて最初から2科目で大丈夫とは言わないはずです。
また、あくまで「一般的には」と申し上げたのは、学校の勉強もこなせて(カラーテストで85点以上を常にキープできているような状態)、御三家とまではいかずともいわゆる偏差値上位校(首都圏模試なら偏差値50以上)を目指すような生徒さんの場合、その偏差値ゾーンには4科目受験のみ対応の中学がひしめいているわけで、そうなると当然4科目やらなければ合格が難しくなるわけです。
参考までに首都圏模試偏差値50〜75の東京都共学・男子校合わせた2/1午前入試(適正検査型除く)ですと47校中40校が4科目受験のみとなります。実に八割五分。もうほぼどこも4科目ですね。
では私たちプロ家庭教師の視点でみるとどうか。私は個人的には、そのご家庭の置かれている以下の2つの状況によって4科目か2科目かは判断が変わると考えています。
2科目or4科目の判断基準
- 生徒さんの学年(4年・5年・6年どれか)
- 志望校の選択(=志望校の偏差値)
特に『②志望校の選択』がとても重要になります。なぜなら、行きたい学校の入試システムによっては例えば「例年合格者の大半が2科目で合格しており4科目やる必要性がない」という学校や「そもそも2科目受験しか実施していない」という学校もあるからです。
特に私たちプロ家庭教師のジャンプに入会される小学生の大半は発達障害や軽度知的障害、グレーゾーンなど様々な特性ゆえに勉強が苦手で困っている生徒さんです。塾に通い続けながら家庭教師をつけて勉強している生徒さんもいますが、その大半は集団塾や個別指導塾、アルバイト家庭教師が合わなくて、それでもなんとか本人に合う私立中に入れさせてあげたくて入会しているご家庭になります。そういった生徒さんたちが目指すのは偏差値50以上よりむしろ偏差値35〜40台前半の中学です。そうなるとさきほどの偏差値50〜75のデータは当てはまらなくなります。
こちらも参考までに首都圏模試偏差値36〜49の東京都共学・男子校合わせた2/1午前入試データ(適正検査型除く)を調べてみると、4科目受験のみ対応の学校は63校中たったの5校しかありません。他58校は2科4科選択もしくは2科目受験のみとなっています。偏差値50以上か50未満かでその様相は大きく変わってくるのです。
(図1)首都圏模試2/1午前東京都共学・男子校偏差値50以上50未満の2科目4科目割合グラフ
※グラフの「2科目」は2科4科選択を含みます
(図2)東京都・神奈川県2/1午前男女別グラフ
ご覧のように、男子だと偏差値50以上が一つの壁に、女子だと偏差値52以上が一つの壁になっています。だからこそ、2科目に絞って勉強していくべきか4科目幅広く勉強していくべきかを考える前に、まずは「②志望校の選択をして」「偏差値ゾーンを確認する」ということがとても重要になってくるわけです。
志望校の選択の仕方としましては
- 場所(通える範囲にある中学)を絞り込み
- 現状の算国の学力(およその偏差値)を把握し
- 共学かそれとも男子校(または女子校)どちらが本人に合う環境かを考える
という手順で志望校を決めていく流れになるかと思います。(1.2.3の更に細かい具体的なやり方につきましては私たちプロ家庭教師に頼っていただき、個別に相談させていただくことももちろん可能です)
そして、志望校がある程度絞り込みできれば、前述の2科目or4科目の判断基準①②が決まることになります。
①学年を選択→4年・5年・6年
②偏差値ゾーンを選択→50以上か未満か
①②が決まれば、理科と社会をどうするのが良いのか。そこが今回のテーマの結論になるわけですが、文章にすると非常にわかりづらくなりそうですので、図にしてみることにします。
あくまで個人的なものとして、オリジナルの判断基準を作成してみました。もしよろしければお試しください。
(図3)
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