精神的支柱
起立性調節障害と家庭教師(自宅学習・発達障害・不登校)
プロ家庭教師のジャンプには起立性調節障害(OD)を抱える生徒さんも在籍しています。在籍している不登校の生徒さんのうちの半数以上がこの「起立性調節障害」で悩んでいます。
思春期、特に小6~中3の生徒さんが圧倒的に多く、軽度の症状でも本人にとってはものすごく大変な状態になります。どの生徒さんも朝ベッドから立ち上がれなかったり、起きてもめまいや頭痛、動悸、貧血、立ちくらみなどでとても家から出られる状態ではなく、学校に行けなくなります。病院で検査(新起立試験)を受けて原因が判明するまでは本人も家族も「いったいどうして、、、」とひどく心を砕かれることも多いようです。
まずこのコラムを読まれている方に安心していただきたいことがあります。それは、起立性調節障害は高校に入ると比較的症状も良くなると言われており、実際にジャンプの生徒さんたちも高校入学後は元気に登校できるようになったケースが殆どだ、ということです。
しかし当の子供たちにとっては今がすべてであって、数年先にはきっと改善するからね、と言われても「今まさに困っている現状」の解決策にはなりません。
むしろ「治るまで数年かかるのか(※)」「このまま学校に通えない生活が続くと高校はどうなるんだろう」「勉強がどんどん置いてけぼりになってしまう」といった切羽詰まった不安でいっぱいだろうと思います。(※数か月でかなり改善していく子供もいます)
朝起きられない → 学校に行けない → 授業が受けられない →勉強が遅れていく → 日常の単元テストや定期テストが受けられない、受けても点が取れない → 内申書にも影響してくる → 高校入試に影響してくる
このような先行き不安をなんとか解消するため、「学校に行けなくても自宅で学校の授業と同じことを学習する」という方針でわたしたちは指導をしています。
朝は低血圧になりやすくそもそも動くことすらできないため、家庭教師の授業はたいていお昼過ぎ~夕方、夜にかけて行います。(ジャンプの家庭教師は全員が正社員としてジャンプで仕事をしている教師になりますので、昼からでも対応することが可能です。)
ODは自律神経機能が低下することが原因といわれていますが、そもそも低下する原因として思春期特有の発育による自律神経の乱れ・精神的ストレスなどが挙げれており、自分は学校に行けていない、授業に参加できていない、勉強が遅れていっている、といった不安がストレスに拍車をかけてしまいかねません。「学校には通えていないけど勉強だけはちゃんとできている」という事実は親が思う以上に子供には安心材料となりえると同時に症状を悪化させない一つの手立てになっているともいえます。
また、起立性調節障害という身体の不調はまだ一般的に理解されていないこともあって、周囲から「さぼっている」と誤解されやすい面もあります。
そういった意味でも、わたしたちプロ家庭教師は、一日の中での体調変化や季節の移り変わりによる体調変化、朝方の症状のつらさなど、良き理解者として精神的負担を減らしてあげる存在にもなりえます。
かくいう私自身が実は中学時代にODで学校に行けなかった時期があり、とても苦しかった記憶があります。朝、布団から出ようとしても起きられない、頭がものすごく痛くて気分が重い。母親からは寝すぎだと怒鳴られることもありました。何かの病気かも、検査をしよう、という発想自体が自分にも家族にもなく、周囲からも原因不明の不登校児扱いをされていて、そのことがとてもつらかったです。しばらくして体調が良くはなったのですが、皆に会いづらくて学校にはしばらく行けない状態が続きました。(同じ部活動の友達数人が自宅まで来てくれて一緒に登校するようになってからは再び通えるようになりました。)
現代では起立性調節障害という言葉も広く知れ渡るようになり、理解してくれる先生も昔よりは増えました。
しかし今の小学校、中学校は昔よりも授業スピードも速く、覚えることも2~3割増えています。昔の感覚で「多少学校に通えなくてもまぁ高校くらいは行けるだろう」と思っていると大変なことになりかねません。もしお子様がODで苦しんでいるなら、一度、学校のテストをみてあげてください。数学(算数)で構いません。どうでしょうか。お母さんやお父さんの時代のテストと同じですか?おそらく、「え、、、こんな難しくなっているのか、、」と思われたことでしょう。そうです。今の小学生、中学生の義務教育の中身は本当にハードなのです。たった数日の休みであっという間に教科書数ページ分進みます。だから、せめて勉強の不安だけはなくしてあげたい。それができるのがわたしたちプロ家庭教師だと思っています。
プロ家庭教師 儘田貴広
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