分離採点!
途中計算(発達障害)
「うちの子は途中式を書かないんです!何度言っても書こうとしない。書くメリット、書かないデメリットとかあらゆることを家でも話しているのに、、、」
こういった声をお母さま、お父さまからよく聞きます。子供が1,2年生といった低学年ならまだいくらでもアプローチのしようがありますが、5,6年生あたりになるともう手遅れ感がありますよね。特にジャンプに在籍している生徒たちはこだわりが強かったり不注意だったり集中が持続しないタイプの子が多いため、「暗算できるのになんでわざわざ書かないといけないのか」「途中式を書くなんてかっこわるい」「書くとそのぶん時間がかかるから嫌だ」など彼らなりの主張が固まってきて、高学年から修正するのは大変な労力を伴います。なかには、本来、式を書いてからそれに従い計算するはずの順番が「とにかく途中式を書けばいいんでしょ」と、頭の中で計算してから後付け的にその式を書くような子もいます。
大前提として、お子様が計算ミスを100%しない場合は、途中式は書かなくてもOKです。逆に1%でもミスをするならば絶対に途中式は必要です。
ではなぜ彼らは途中式を書かないのでしょうか。それは「必要性を感じていない」からです。途中式を書かなくても答えが合っていれば丸がもらえて点数になることを経験してきているからにほかなりません。ではどうすればそこの意識が変わるのか。一つの方法をご紹介します。
それは、途中計算も含めて採点をしていくスタイルに切り替える方法です。サンプルを用意しました。配点が答えと途中式とで分離している形式となっています。ぜひお子様に試してみてください。
実際に問題用紙と答案用紙が一体になっている型の入試ですと答えが間違っていても途中計算(途中式の考え方など)が正しく書かれていれば加点してもらえる学校もあります。
サンプル問題はこちら↓
【解答(1)343 (2)1/2 (3)0.8 (4)1.05 (5)2/5 】
また、中学受験の問題では、「くふうして計算する」ことが求められる問題が頻出します。そういったときに途中計算を一気に書かかずに部分部分だけを計算してしまうクセがついていると、くふうできることに気づかずに大変めんどうな計算をする羽目になったりします。特に円が絡む問題では3.14を含む計算がとても大変になるため、極力くふうすることが大切となります。
例えば
60×3.14×1/6(6ぶんの1)を、60×3.14を先に計算してから1/6を計算してしまうと、188.4×1/6という複雑でいかにもミスの気配漂う計算をすることになります。60×1/6を先に計算して3.14×10にすればここは暗算で31.4としてOKです。しかし普段から式を一気に書かずに部分ごとに計算するクセがついてしまっていると、60と1/6が簡単に約分できることに気づけず複雑な計算ルートを歩むことになってしまいます。
同様に13×13×3.14−12×12×3.14もそれぞれを筆算で計算するのはNGです。これは「分配法則」(の逆)を使えば、3.14×(169−144)=3.14×25と1回の筆算で済みます。ちなみにこの3.14×25も25=100÷4を利用すれば、筆算を使わずに3.14×25=3.14×100÷4=314÷4=78.5と楽に計算できます。
中学受験算数の文章題や図形問題では意図的にこのような小数が絡む複雑な式になるように作成されたりします。これらの問題も、先ほどの大問1の計算問題サンプル同様、答えと途中式分離型採点法でトレーニングしていってみてはいかがでしょうか。
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