自由課題
任意の課題(発達障害)
思春期、反抗期の子供への学習面の関わり方、難しいですよね。
親や先生に干渉されなくてもそつなくこなせる子もいれば、むしろ干渉されないほうが万事うまくいく子もいます。
一方、干渉してあげることでようやくなんとかこなせる子や干渉されないと万事うまくいかない子もいます。特にプロ家庭教師のジャンプに在籍している発達障害やグレーゾーンに位置するような生徒にとっては、その傾向が顕著に表れます。学習面において自分一人で物事を判断したり計画したり遂行することは非常に困難だったりするわけです。
また、こちら(親)が干渉しても、なかなか上手く事が運ばれないケースもたくさんあります。
そんな発達障害(傾向)の中学生・高校生あるあるをいくつかご紹介します。
ケース1
本人:「まだ何も言われてないよ」
ケース2
本人:「やってるってば!」
ケース3
本人:「あるってば!」
だからこそ我々プロ家庭教師の場合は、それらを母親の代わりにキチッと管理してあげることも仕事の一つになるわけですが、それでもとても苦労する、厄介なものがあります。
それが今回のテーマ「任意のプリント」の存在です。
テスト範囲のプリントや、最近だと夏休み課題で見られたことがあるお母様も多いのではないでしょうか。
任意のプリント(任意の課題)。
つまり、「やってもやらなくてもいい課題」です。
子供目線だと「やってもやらなくてもいい課題」でも、大人から見ると「やってもやらなくてもいい課題など存在しない」となります。
お母様に是非知っておいてもらいたいことは、この「やってもやらなくてもいい課題」とは、教師目線で見ると、「やれば加点する課題」ということです。つまり、『やってもやらなくてもどちらでもいい』けど、『やってもやらなくても同じ評価というわけではない』、ということです。
素直な生徒さんだと、「やれば加点されるから必ずやる」と考えてくれます。
しかし、こだわりが強かったり揚げ足とりや屁理屈が大好きな子供からすると、「やってもやらなくてもいいんだから100%やる必要なんてない!」「やる奴はバカだ」「やらなくていいってことはやっちゃダメなの!」という考えになったりします。
(あぁ、うちの子のことだ)と思われているお母様もたくさんいらっしゃると思います。
もちろんそこをなんとか理解させて、やらせていくのが我々プロ家庭教師の役割なのですが、なかなか一筋縄ではいきません。
そもそも加点されることがどういうメリットになるのか、どのくらいメリットがあるのか、を生徒にきちんと理解させるところからスタートしないといけません。
通知表の5段階はテストの点数だけで決まることは決してなく、現在は観点別評価で①②③④と4つにABC評価され、そのアルファベットの組み合わせで5段階が決まります。(この観点別についてはまた別のコラムにて書かせていただきます)
例えば数学ですと
- 関心・意欲・態度
- 知識・理解
- 技能
- 見方・考え方
の4つに分かれており、それぞれ
- ワーク提出(出来栄えも評価)
- 定期テストと小テスト
- 定期テストとノート提出
- 定期テストとプリント提出
など、学校によって多少異なりますが細か〜く点数化されています。
こういう細かい話は生徒さんによってどこまで説明してあげるかは異なりますが、わかりやすくいうと
【評価例】
例えば中学生だと、定期テストで60点取れたとします。
①の「関心・意欲・態度」は定期テストは関係ありません。ほぼワーク提出で決まりますので、残りの
②③④を
②知識・理解 →20点(C)
③技能 →20点(C)
④見方・考え方 →20点(C)
と得点したとします。
この④に、「任意の課題」プリントが30点分加点される、と聞けばどうでしょう。
20点+30点=50点。
この任意の課題を出したことで、
(C)評価が(B)評価になるわけです。
(C)評価が(B)評価になると、通知表が1が2,2が3になったりするわけです。
そのくらいのパワーを秘めているのが「任意の課題」なのです。
とにかくこちらが主導でワークやプリント管理、小テスト対策などを日常的にやってあげないといけない生徒さんばかりですが、この任意の課題こそ最難関の提出物にして最大の効果を発揮したりしますので、是非知っておいてください。
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