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4つの原因クリップマーク

発達障害は増えている?(発達障害)

2020.8.24

 

「発達障害って、最近増えていますよね?どうしてですか?」

 

このような質問を保護者様からよくいただきます。

このような質問に対し、私はいつもあくまで私の個人的意見として、以下のようにお答えしています。

「発達障害はその発症のメカニズムが非常に複雑であり、いまだ明確な原因は解明されていません。それを前提でお話しますと、4つの理由が考えられます。一つは遺伝的要因による増加。一つは環境要因による増加。一つが検査数の増加。そして一つが、診断数の増加です。」と。

これだけですと「?」だと思いますので、詳しく説明させていただきます。


①遺伝的要因による増加


遺伝要因とは、一般的に挙げられているのが医療の進歩による早産児の増加や働く女性の社会進出による晩婚化と高齢出産の増加などです。また外部因子が関係している可能性もあります。例えば、喫煙習慣、抗生剤の接種、感染症、などがあるようです。


②環境要因による増加


環境要因については、元々遺伝的に発達障害になりうる要素を持って生まれた人が後天的な環境が要因となって発達障害の症状が出てくる説と、どんな人でも一定の環境下で育てば発達障害の症状が出る説の2つがあるようです。

いずれにしろ、ここでの環境要因とは、一般的に挙げられているのがスマホやゲームなどへの依存、睡眠不足など生活リズムの乱れ、化学物質など食生活の乱れ、ネット普及による社会的ストレス、などです。また、愛着障害なども関係してくるといわれています。

しかしこれらは生物学的、医学的に証拠があるわけでもなく、まだ研究段階です。


③検査数の増加


2005年に発達障害者支援法が施行されて以降、医学に携わる方たちだけでなく、我々教育の現場、教育業界全体でも爆発的に「発達障害」というワードが広まりました。それによって小学校の先生や幼稚園、保育園の先生たちが、少し周りの子供と違う子に対して、親御様へ積極的に知能検査や発達検査を勧めるようになりました。

またテレビや雑誌でも著名な芸能人が発達障害をカミングアウトすることで一般社会でも「発達障害」や「大人の発達障害」といったワードが広く認知されるようになり、先生からの指摘がなくとも親御様自身が「もしかしたらうちの子も何かしらあるのでは」と心配になり、検査を受けるようにもなりました。

これらの一連の流れにより、2000年初頭から2005→2010→2015→2020と確実に検査を受ける子供の数が増えています。疑いのある子供の検査数が増えるということは、それまで見落とされていた子供も検査を受けることになりますので、結果として発達障害と診断される数も増えることになります。


④診断数の増加


発達障害の診断基準が変更されたことによる診断数の増加です。

現在は「自閉症スペクトラム」という名称で、症状はスペクトラムつまり連続体であって、明確な線引きができるものではない、という考え方になっております。しかし以前は「広汎性発達障害」という枠があり、その中に「自閉症」「アスペルガー症候群」と二つに分かれていました。

スペクトラムという見方、考え方になって以降、小児科や療育センター(療育センターでは診断名は出されないですが)において、「発達障害またはグレーゾーン」という診断をする医療関係者も増えたようです。

昔はクラスに数人いた少しやんちゃな子供や活発な子供、または自分の世界に浸るようなおとなしめの子供など、個性の強く出ている子供たちが今は検査を受けに行くと「発達障害」「グレーゾーン」と診断されるような世の中になっている、ということです。

私自身は幼少期は家から勝手に飛び出して行方不明になることがしょっちゅうあり、玄関からロープで身体を結ばれて犬のようにつながれていました。もしあの頃に検査があって、親がそれを知って、受診させていれば、間違いなく私は「発達障害」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」と言われていたことでしょう。

そんな話を以前、小児科で勤務している友人に話したところ、「そんな手のかかりそうなヤンチャな少年なら間違いなくADHDと俺なら診断するかもね。検査を希望して来院する親のなかにはもしかしたら自分の子育てが原因かも、と悩んだりしてやってくる方もいるから、発達障害と診断してあげればむしろ安心されるケースだってあるからね。自分はそうじゃないけど、検査室へ入室してきて子供にイスに座るよう指示するよね、それでイスに座った途端イスを回転させてクルクルし始めた瞬間に『なるほど、ADHDですね』と診断する医師もいるぞ。入室して10秒もたたないうちにね。それに対して(そんなすぐに見抜けるのですね!)と驚く母親もいれば、逆に(そんな簡単に決めつけないで!)という顔をする母親もいる。けれど、俺はそんなふうにすぐに断定はしない。つまり医師によっても診断名って変わったりもするんだよね。」と語っていたのも興味深い話です。

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