問題傾向
テスト分析により得点が上がる!?(発達障害)
以前担当していた発達障害(グレーゾーン)の高校生の生徒さんのお話です。
その子の高校では、毎週英文法の小テストがありました。学校で使われている文法のテキストから出題されるのですが、そこではいつも8〜9割の点数を取っていました。
しかし、ある時に受けた定期テストでは、今までの小テストを合わせた範囲であるにも関わらず、英語の得点が6割と大きく下がってしまいました。なぜ得点が下がってしまったのでしょうか?
確かに、一つ一つの小テストと比べても、定期テストの方が範囲は当然増えます。それに他の科目もあり、テスト対策に充てる時間も少なかったという本人の言い分も間違いではないと思いました。けれどきっと他にも原因があるかもしれないと思い、その生徒さんのテストやテキストを預かり、テスト分析をしたところ、ある原因が判明しました。
小テストと定期テストの出題形式が違っていたのです。小テストでは、文法のテキストから同じ形式で同じ選択問題が出題されているのに対し、定期テストでは選択問題を筆記形式に変えて出題されていたのです。そして私の生徒も問題形式を変えられて出題された問題でミスをしていました。その子は英語が得意だったので、問題を解けばある程度は答えも含めて覚えてしまいます。しかし、解けてしまうからこそ尚更、自分が実際に理解したのかが見えにくくなっていたのかもしれません。
そこで私は次のテストの時に、その子に選択問題の答えを出す時に必ず『理由』をノートに書くように指示を出しました。そして他の選択肢が間違いである『理由』も合わせて書かせました。そしてそれを毎日写真で送ってもらい、チェックしました。理由を書くと言っても、熟語の場合は理由をつけるのが難しいので、その時は熟語の意味をノートに書いてもらいました。選択問題だと答えを覚えていたり、たまたま合ってしまったりすることがあります。またテキストの解説も不十分なことが多々あるので、理由をしっかり書けるかどうかを見ればその子が本当に理解しているのかがはっきりわかりました。理解が不十分なところは、指導に行った時に解説して理解させていきました。
そのような対策をしたところ、次のテストで高得点を取り、クラスで1位を取ることが出来たと嬉しそうに連絡してくれました。選択問題で答えに理由を書く子はそうそういないでしょうし、それをチェックする人も必要になるので、そこまでやったのはその子だけだったのでしょう。毎日地道な努力を続けたその子の頑張りが、結果にあらわれて良かったです。
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