根本から
文章題の解き方(発達障害)
発達障害のグレーゾーンとお医者さんから指摘された、とある小学生の話です。
入学時から所属は特別支援学級で、授業はすべて普通級、つまり「交流級」という形で過ごす子供です。
学校の宿題で文章題の問題が解けなくて困っています。授業のノートではちゃんと解けて丸になっています。丸になっているということは理解できているはずなのに、宿題の同じような問題の解き方はさっぱりわかりません。
このようなことはありませんか?
このような場合、原因としては根本を理解していないことが多いでしょう。授業の時に先生が説明してくれるので、その場では確かに「分かった気」にはなるのですが、いざ自分の力で解こうとなると何をすれば良いか分からないのです。特に特別支援学級から交流級という形で普通級の授業を受けている場合、補助の先生が横についてくれていて、答えを教えてくれたりもします。
答えを教えてもらったから正解して丸がもらえたのか、一人で理解できたから解けて丸がもらえたのか、持ち帰ったプリントを見ただけでは母親もわかりません。
それでは、問題の根本から理解させるためには、どうすればいいのでしょうか?
私は、『生徒がその問題を説明出来るかどうか』を一つの目安にするのが良いと考えています。私はよく生徒に、「自分でどうしてこの答えになったのか、先生に教えてもらえるかな?」「自分で説明することが出来れば、本当に理解できているということなんだよ」と話します。
問題の数字や単位が変わっても解けている時は、たいていの場合その問題に対してどうやって解いたかという説明が出来るはずです。しかし間違っている答えを出した問題では、他の人を納得させられる理由を説明出来ません。
ただし、ここで注意しなければならない点があります。それは、説明の内容がただ解き方を言っているだけの時は、本当に根本を理解しているかの指標にはならないということです。そういった場合、説明している内容に対してこちらから突っ込んだ質問をしてあげることが必要になります。解き方はスラスラ説明できても、深く質問されると急にしどろもどろになってしまうことが多いのです。
例として、以前私が受け持っていた小学5年生の生徒との話を紹介します。解いていたのは、苦手な子が多い割合の問題です。その子は「650円の30%は□円」という問題は解けていたのですが、「□円の40%は280円」という問題が分かっていませんでした。同じ系統の問題でも、□の場所が違うと解けなってしまうのは、上の問題で「30%を0.3にしてかける」という「解き方」を暗記していたからです。(下の問題で、280×0.4という式を立てて間違える子が非常に多いのはそのためです。これでは、もとの値段よりも小さくなってしまいます。)そこで%の概念や何%と何割の違いを説明していきます。すると、その生徒は納得したようで、どの問題も説明した上で解けるようになりました。
根本から理解させることで、問題の出され方が変わっても、答えの出し方に迷うことはなくなります。
必見! 発達障害ブログ
- 発達障害と特別支援学級(高田先生)
- 発達障害と中学受験(高田先生)
- 中学受験「偏差値50」2科目か4科目か(高田先生)
- 中学受験「偏差値40台」応用問題(仲間先生)
- 中学受験『算数の計算ミスは致命傷になる』(高田先生)
- 発達障害と漢字の覚え方(今泉先生)
- 発達障害と英単語の覚え方(高田先生)
- 勉強ができないのは発達障害のせい?(尾崎先生)
- 発達障害とWISC知能検査(今泉先生)
- ワーキングメモリと勉強(高田先生)
- 発達障害と志望校選び(鎌田先生)
- 発達障害とカラーテスト(深澤先生)
- 発達障害と白黒思考(岡田先生)
- 発達障害と小学生の算数(儘田先生)
- 発達障害と小テスト(山中先生)
- 発達障害と親の言葉(高野先生)
- 発達障害と不登校(島田先生)
- パズルで簡単!楽しく身につく漢字学習指導法(鎌田先生)
- 発達障害と漢字の必要性(高田先生)
- 発達障害とケアレスミス(儘田先生)
- 漢字を覚えられないのはなぜ?(田中先生)