ダメな課題
課題の指示は生徒の学習管理【1】(定期試験対策)
前回のコラムで、当社がアルバイト家庭教師に対して課題用の教材をサポートしていた時代の話を振り返った。我々がいつの時代も常に重視してきたのは課題の指示を通した家庭学習の管理である。それこそが学校や塾と比較した場合に家庭教師だけがその改善に取り組む事のできる重要なポイントでもあり、勉強が苦手になっている生徒さんの指導においては、最終的に指導効果をあげられるかどうかを決める最大のポイントにもなってくるのである。
学校や塾では基本的に全員に同じ内容の課題が与えられている。量ももちろん均等である。この場合、その課題の内容や量が今日の学習内容を定着させるために適切な演習となる生徒さんももちろんいるだろうが、そうでない生徒さんも当然出てくる。そして勉強が苦手になっている生徒さんの場合には圧倒的に後者の割合が増えるだろう。塾に通っていて家庭学習の習慣もあるのに成績が上がらないという生徒さんの原因の大半は、まさにこの課題の内容や量が不適切だからに他ならない。チェックすべきポイントはまずは次の2点である。
- 指導中に生徒が理解した部分を把握する。
- 指導中に理解しきれていない部分を課題に含まない。
数学や英語、理科など思考を必要とする教科において特に顕著なのがこのパターンである。課題の中にわからない、解けない問題がふくまれているという状態だ。こうなってしまうと生徒さんにとっては、その問題を誰かにもう1度教えてもらわない限りは自力で課題を消化する事が困難であり、そのために課題の消化にもかなりの時間を要することとなる。実際には解答を書き写して消化しているという生徒さんが多いのではないだろうか。成績が低迷してくると学校への提出物がこのパターンに該当してくるはずだ。テスト前に時間をかけてなんとか必死に提出物のワークを消化しても、基本的には書き写しているだけだから残念ながらテストの点数の上昇には反映されないものだ。
また、このパターンの場合には生徒さんの学習意欲も低下してくるのが一般的である。わからない問題を自力で頑張って解くように求められても時間もかかる上に結果にも反映されない訳だから、ヤル気を求められてもそれは酷な話というものであろう。だんだんと課題をやらなくなっていったとしてもある意味では仕方がないともいえる。そして、このわからない問題を課題として与え続けられた期間が長ければ長いほど、生徒さんの学習に対するイメージがネガティブなモノへと固定化していってしまうという2次被害も存在する。頑張ってみたってどうせできるようにはならないし・・・。といった思い込みの類である。勉強が苦手になっている生徒さんへの指導においては、初期段階においてこのパターンからの脱却を試みる必要がある。では何に気をつけて一体どこを改善すべきなのか。その話は次回に。
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