プロ家庭教師のジャンプ:先輩正社員06 プロ家庭教師のジャンプ:先輩正社員06mobile
先輩教師の声:教務部一課課長

ミドルシニア世代が
輝ける場所

ジャンプの変革と
ミドルシニアへの期待

2000年以降「発達障害」という言葉が少しずつ世間に広がり始めました。当時からジャンプの生徒にも発達障害の特性があり学習がうまくいかず困っている生徒が10%程度いました。2007年の特別支援教育の始まりを機に、その割合が20%、30%と増えていきます。以前はアルバイトの大学生を家庭教師として派遣をしてきた弊社も、発達障害を抱える生徒の増加とともに、教師と指導のクオリティを考え直さねばならない岐路に立ちました。入れ替わりの激しい大学生バイト教師に、発達障害の知識や指導法を研修する人的負担をどう解消していくのか、経験の浅いアルバイト教師にご家庭から安心して生徒の指導を任せてもらえるのか、そういった課題をクリアすることが必要になりました。

そこでジャンプは大きな経営方針の転換をします。従来のアルバイトによる家庭教師派遣を止め、正社員での家庭教師雇用をしていくという舵取りをしたのです。正社員であれば入れ替わりなくずっと生徒の指導を担当し続けられる。正社員ならばご家庭からも安心して任せてもらえるだろう、という結論に至ったのです。大胆かつ大規模な組織形態の変換でした。そこには、少しでも多くの特性を持つ生徒の力になりたいという、経営者をはじめとする当時のスタッフ全員の想いがありました。2007年からアルバイトを徐々に縮小していくと同時に正社員雇用を拡大していき、2011年には100%正社員だけの家庭教師会社に生まれ変わりました。

アルバイトと正社員の割合

しかし2014年頃から、人材についての新たな局面を迎えます。ジャンプでは若い人材を積極的に雇用してきましたが、新卒・第2新卒を始めとする「若い世代の発達障害児への適性」が問われ始めたのです。発達障害の生徒を教えるためには根気、粘り強さ、優しさ、丁寧さ、工夫が必要不可欠です。しかし、社会経験が浅い世代には、様々な場面での柔軟な対応が難しい場合もあります。ご家庭から「もっと経験のある教師」を求められることもあります。それとは対照的なのが、1970年〜1982年生まれのミドルシニア世代です。私も該当するこの世代は就職氷河期を経験し、有能でありながら就職に恵まれなかった人がたくさんいます。なりたかった教育の仕事に就いても、正社員としての雇用を逃してしまった方も多いでしょう。仮に指導方法や特性への対応は自己流だったとしても、発達障害の生徒に指導した経験があり根気強く生徒と向き合うことができる。そんなミドルシニアにジャンプが長年培ってきた指導システムがプラスされれば、ジャンプが目指している指導品質がより高められるはずです。また、年齢が高いことでご家庭の安心感も期待できるというメリットもあります。ミドルシニア世代が輝ける場所、それがジャンプなのです。

ミドルシニア世代が輝ける場所

ジャンプでの
再スタート

2014年にはミドルシニア世代を積極採用し、その全員が持ち前の粘り強さや経験を活かしてわすが1年で学習習慣の定着や学力アップ、受験合格といった明確な結果を残してくれました。そして、ミドルシニアがプロ家庭教師に適しているという自信が、確信に変わったのがその翌年でした。

ドルシニア世代のM教師をサポートする

42歳のミドルシニア世代のM教師は2015年に入社。M教師は他社で7年間家庭教師として指導経験を積み、発達障害の生徒を受け持った経験もありました。ジャンプではじめに担当した15歳の生徒は、ADHD、LDと診断された母子家庭の生徒です。学校の課題も満足に提出できず内申点は1と2、定期テストも3割を切る点数で、このままだと普通高校への進学も難しい状況で、持っている特性と思春期が重なって生活面にも様々な問題がありました。物の管理がまったくできず学校の大切な手紙をなくしてしまったり、宿題の内容も把握できず、毎日ゲームに没頭。親子喧嘩が絶えない状況でした。M教師の管理のもと、日々の学習習慣は少しずつ良くなるものの親子関係は改善されず、生徒とお母さんの板挟みになることもあり対応に困っていました。指導経験があるとは言え、生徒の状況も様々です。M教師は生徒との年の差が27歳もあり、生徒との接し方についてサポート役の私に相談しながら指導を進めていきました。

生徒と親に頼られる教師
影で支える教師

そんなある日、その生徒が突然家を飛び出してしまう事件が。ゲームをしている時にお母さんから「勉強やったの!?」口うるさく言われたのが引き金になったようです。生徒が家を出ていってしまった後、お母さんからすぐさまM教師に連絡があり急いでご家庭の近所を探し回りました。今度は生徒から直接M教師に電話がかかってきて、M教師は生徒のいる場所へ駆けつけました。M教師から連絡をもらった私がその場所へ着くと、M教師と生徒が2人で話をしているところでした。私は少し離れた場所でその会話を聞いていると「家出したからもう勉強しない。」「先生はちょっとした頑張りを褒めてくれるけど、お母さんは1つも褒めてくれない。」と話す生徒の声が聞こえます。その声はとても悲しそうでした。生徒がM教師に本音を語っているのが、離れていてもすぐにわかりました。しかし、M教師ははじめての経験で、少し困惑しています。

突然家を飛び出しまった生徒

そこで私はM教師にこっそりEメールを送りました。「まずは本人の気持ちをきちんと肯定的に聞いてあげてください。その上でどんな時でも自分は味方であることをハッキリと伝え、一緒に家に戻ってお母さんにも生徒の心情を先生の方から伝えてあげてください。」M教師は私のアドバイスを受けて生徒と一緒にご家庭へ戻り、お母さんにも事情を説明しました。「先生ごめんなさい。私がきちんと褒めてあげなければいけなかったのに…。」とお母さんは反省されたそうです。生徒がすぐにM教師に連絡をくれたのは丁寧な指導で信頼を得ていたから、お母さんがすぐにM教師に連絡をくれたのは世代も近いM教師なら共感してくれると感じたからだと思います。M教師はお母さんの様子を見て、今後も一緒に生徒を応援していくことを約束しました。時刻はもう23時をまわっていましたが、M教師から私に「今回の出来事や今までのことを振り返りながら今後の対策を一緒に考えてほしい。今から少し会って話してもらえないか。」と相談があり、私はM先生と合流し一緒に対策を練りました。

その騒動の後、お母さんは少しずつお子さんを褒めるようになり、親子関係にも良い変化が生まれました。M教師も生徒との27歳という年齢差を気にせず本音で向き合うことの大切さを知り、指導の言葉にも深みが増しました。学習も生徒の頑張りもあり、当初は諦めていた普通高校に進学することができ、ジャンプの指導は終了しました。

教師にも
新たな成長が待っている

その2年後のこと、生徒からM教師に連絡がありました。「高校卒業後の進路としてお母さんと同じ薬剤師を目指したいから薬学部受験を考えている。また教えてほしい。」と。普通高校になんとか入学できたあの生徒が、まさか薬学部の受験を志望するとは驚きでした。しかもお母さんと同じ職業を目指すなんて、親子関係がとても良好な証拠です。M教師の指導は再開され、生徒とM教師は二人三脚で無事薬学部に合格し、お母さんと生徒から大いに感謝されました。

生徒について対策を練る

この経験はミドルシニア世代のM教師にとって、大きな自信につながったと思っています。生徒の保護者と世代も近いためご家庭からの信頼を得やすく、社会経験があるので客観性に優れたミドルシニア世代。それでも「人に教える」というプロ家庭教師の仕事には、予期せぬトラブルや自分の経験では補えない局面が待っていることがあります。そんな時には、ジャンプのノウハウがきっと役に立ちます。どうしたらいいのか困惑してしまうような局面を、先輩社員からの的確なアドバイスが救ってくれることもあります。私たちは生徒との学習やご家庭とのやり取りを、社員同士で共有しながら成長してきました。この経験で変わったのは生徒とお母さんだけでなく、M教師もまた指導によって新たな成長を遂げているのです。

世の中では不景気のため、ミドルシニア世代がリストラのメインターゲットになっています。弊社はそのような時代の流れと逆行し、ミドルシニア世代を積極的に採用する考えを持っています。社会を知り、経験を積んだ世代の方に、ジャンプが長年培ってきた指導のノウハウをプラスする。ミドルシニア世代にとっても、ジャンプという会社が「自分の成長を実感できるフィールド」であるために、少しでも自分の経験が役に立てればと考えています。

指導に向かう先輩プロ家庭教師

PROFILE

2007年入社。正社員のプロ家庭教師として13年のキャリアを持つ。2014年から主にミドルシニア世代の採用、研修、指導フォローを行う。

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